2010年3月26日金曜日

ゴリラ絶滅の危機

ナショナルジオグラフィックの記事からです。

アフリカ中央部のほとんどの地域でゴリラが間もなく絶滅する恐れがあるとする最新の報告書を国連が発表した。原因として、人間の人口の急増や類人猿の肉の売買、森林伐採や鉱山の採掘と並んでエボラ・ウイルスなどの感染症の広がりを挙げている。
 大西洋岸からブルンジやルワンダなどアフリカ大陸中部の国々にまで広がるコンゴ盆地は中央アフリカの大部分を占め、昔からゴリラなどの類人猿が安住できる熱帯雨林となっている。しかし、国連がインターポール(国際刑事警察機構)と共同でまとめた今回の報告書によれば、「密猟の増加や生息地の減少に伴い、この地域に現存する生息地のほとんどで10~15年以内にゴリラが絶滅する可能性がある」という。
 8年前に行われた同様の調査では、コンゴ盆地のゴリラは2030年までに当時の生息地の90%を失うと予測された。今回の報告書は、この不吉な予測さえ今にしてみれば楽観的過ぎたようだとする。当時の調査では、中国における木材需要の増加やコンゴ民主共和国での鉱業の成長が予測できなかった。
 ゴリラの苦境をさらに深刻なものにしているのは、ゴリラの肉を食べるというこれまでタブー視されていた行為が行われるようになったことだ。鉱山の採掘や森林の伐採のための作業キャンプでプロの密猟者を雇い、“ブッシュミート”(野生動物の肉)を労働者や近隣諸国の紛争から逃れてきた難民に与えることが増えている。
 ブッシュミート取引でゴリラの肉が占める割合は今のところ小さいが、その影響は壊滅的なものとなる可能性がある。その理由は、ゴリラの個体数が既に大幅に減少しているからだけでなく、ゴリラのコミュニティーの結束が固いからだ。今回の報告書作成の責任者である国連環境計画(UNEP)のクリスチャン・ネルマン氏は、「1頭のゴリラを殺すことは、人間の家族の中の1人を殺すことに匹敵する。また、彼らの行動パターンや餌場を乱すことにもなる」と指摘する。
 この被害に拍車をかけるのが感染症の拡大である。その多くは、かつて原生林だった場所に人間が流入したことで深刻化したと報告書は伝える。エボラ・ウイルスなど自然発生した病原体が「中央アフリカの類人猿の大幅な減少に大きく影響した可能性がある」が、さらに大腸菌など人間や家畜が媒介する胃腸病原体が、類人猿の免疫系や生殖能力を弱めている恐れもあるという。このような種間感染は必ずしも人間とゴリラの接触を必要とせず、水や土壌などを介して離れた場所にも飛び火する。
 ネルマン氏によれば、コンゴ盆地に生息するゴリラの種で最も生存が脅かされているのはヒガシローランドゴリラで、その大部分はコンゴ東部の北キブ州と南キブ州に生息しているという。
 この一帯は近年、コンゴ政府軍と反乱軍との間の戦闘が最も激しい地域の1つである。また、金やコルタンといった金属の採掘も増えている。コルタンは携帯電話などの電子機器に使われる鉱物である。
 一方で2009年には、それまで知られていなかった750頭のヒガシローランドゴリラの集団が発見されて期待が高まったが、全体数は1990年代半ばの約1万7000頭から現在の5000頭へと減少を続けている。
 ただし、今回の報告書は保護の成功例にも触れている。コンゴ東部のヴィルンガ国立公園に生息する代表的な動物であるマウンテンゴリラの数が回復しているのだ。
 ヴィルンガのマウンテンゴリラの数は1950年代の約250頭から現在は約380頭にまで増えている。これは、密猟者や木炭取引のための森林伐採者を取り締まるレンジャーパトロールが強化されたためだ。
 しかし、「成功例もあるが、それでゴリラに対する脅威が減ったわけではない」とヴィルンガ国立公園の責任者エマニュエル・ド・メロード氏は警告する。「われわれは今、たった1つの場所に非常に少数の個体が生息するという異常事態に直面している。まるで、卵を全部1つのカゴに入れているような状況だ。この数年間は成功例もあるとはいえ、こうした状況が彼らの生存を非常に危ういものにしている」。
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遠い国の話のように思いがちですが、1つの種が絶滅の危機にあるという事は、決して私たちに無関係な事ではありません。
回りまわって、必ず人間に影響を及ぼします。
考え始めると、本当に怖くなります。。。
自然淘汰や自然現象は人間には及ばない事で、それらは地球の仕組みの中でうまく循環して行くものだと思います。しかし、人間によって絶滅させてしまったりする事は、本当に恐ろしい事だと思います。

日本の捕鯨問題やマグロ漁が問題になっていますが、日本人が鯨やマグロを食べ尽くしてしまうのでしょうか?
私はそうは思いません。。。私は鯨を食べません。でも、マグロは食べます。
しかし、マグロはお肉よりも高いときもあり、食卓に並ぶことはほとんどありません。笑
私は無駄なく食べるマグロよりも、サメのヒレ(フカヒレ)だけを切り取って生きたまま海に投げ捨てている事の方が問題だと思いますし、毛皮だけを取る為に動物を殺す方がよっぽど問題だと思います。
日本では、捕鯨やマグロ漁は厳しい規制の中で行われていて、乱獲していないと聞いています。
食文化。。。と一言で言っても難しいですが、どの国にも他の国から見たら信じられない食文化があります。
生き物を守るという視点ではなく、政治的な背景があるように感じてしまいます。

私がこよなく愛するオオカミは、あるアメリカの州ではハンティングされることが許されています。
ペリコプターから、逃げ惑うオオカミを追って銃で撃つのです。ただ殺すだけです。。。

人間だからこそ守れる命や環境もあると、改めて思ったのでした。。。

(あれ?今日は超真面目な話題になってしまいました~~~)

2 件のコメント:

na- さんのコメント...

お久しぶりぶり^^ na-です♪

ちっこい子達も、だいぶ慣れてきたのかな…?
Yukiさん大丈夫かな?

なぜ動物たちの深刻な状況を、普通のニュースで流さないのかを、とみに思います。
やっても動物関連の番組の一部とか。
なんか政府は「命」を連呼してるみたいだけど、
もっとおっきな視点で教育もしてほしいと思うのです。

ハンティングなんて…

最近は、太地という土地のシャチのなみちゃんというのが、名古屋港に売られ、死んでしまうのではというニュースに心痛めてました。
が、
そういうニュースって表にでないんですよね。
絶滅には、大きな環境の変化による自然淘汰と、人間の影響により(ウイルスとかも含めて)絶滅してしまうのとでは、違うと思うのですよねえ…

あ、すみません、長くなっちゃった。てへ。

数日前のふにゃった王子の顔に癒されるのでした♪

ヤマト さんのコメント...

na-さん、こんばんわん!

いや~!嬉しいです!
同じ気持ちで、こうしてお話できることに感謝します^^

私も同感です。
動物たちに起きている危機や事件など、きちんと報道されることは少ないと思います。
思うのですが・・・今の日本の保健所の現状・・・もっと事実を多くの人たちに知って欲しいです。
海外で行われているような、救える命を救う!というシステムが、もっともっとあっても良いとも思います。

もちろん人間は大切ですが、生態系が崩れて動物が絶滅していくことは、最終的に人間に返ってくるという危機感を、報道でももって取り上げて欲しいですよね~~

ヤマトの顔~垂れウルフドッグですよね~笑