2010年8月21日土曜日

幹細胞治療

ちょっと長いですが。。。

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PetPressニュースより
新療法!ペットを救う「幹細胞治療」とは?

ジャーマンワイヤーヘアードポインター ラグルスは優秀な猟犬だ。

オハイオ州バン・ビューレンの森に抱かれるようにたたずむ家に暮らすラグルスは、今年4歳になる雌のジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインター。家の周りの丘陵地帯は全て頭に入っている。猟では木々を巧みによけながら何キロでも走ることができたし、森の太い幹や泥まみれの道もものともせずに長距離を駆けまわれる強靭な体だった。

ラグルスの堅く針金のような被毛と筋肉質の体は、遺伝子技術によって入念に作り出された成果というべきものだ。ラグルスは猟をするために生まれたのだ。

そんな彼女がある日猟から戻って足を引きずっていた。その様子を見た飼い主のダッシュノー氏はすぐ異変に気付いた。これは彼女の天性の姿ではないと。「ジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインターという犬種は優秀な運動選手に似ています。いうならばプロのアメフト選手のようなものです。」とPEOPLEPets.comに語ったのはダッシュノー氏。「当時のラグルスは階段を上ることすらできませんでした。どういう治療をしたらいいのか決断を迫られました。」ダッシュノー氏は薬物治療を考えていたが、獣医に治療は一生涯必要になると言われ、他の治療法を探した。その時出会ったのが幹細胞治療だ。薬物治療より安価で、何よりすばらしいのは治療がうまくいけば数ヶ月のうちにまた猟にでかけられる体になるというのだ。

ダッシュノー氏は獣医のジェームズ・マシアス博士に診てもらい、幹細胞治療を受けさせた。治療に要した日数は2日間。博士はサン・ディエゴに本社を置くベットステム社が開発した幹細胞治療を行う認定獣医なのだ。ベットステム社は再生医療の分野で革新的な技術を有するトップ企業である。ここで幹細胞についてちょっと補足しておこう。幹細胞とは天性の修理人のような細胞だ。あらゆる細胞に変化でき、また複製、修復する能力も持っている。マシアス博士が説明してくれた。

「この治療法がすばらしいのは副作用がないことです。自分の体から抽出されたもので、元々異組織ではありませんから。また、現在胚幹細胞の使用を巡って様々な倫理上の議論が行われていますが、それも考慮する必要はありません。この治療に使われる細胞は体の脂肪から抽出されるからです。費用は23万円から25万円くらいですね。」

手順はこうだ。最初、腹部を切開して大さじ2杯程度の脂肪を採取する。マシアス博士は採取した脂肪をベットステム社に送る。ベットステム社は採取された脂肪から幹細胞を抽出し、48時間以内に返送してくれるというわけだ。

返送された幹細胞を患部に注射して治療は終了だ。通常注射する箇所はヒザ、腰、関節が多い。入院する必要もなく注射が終われば帰宅できる。

「大概、治療は犬たちが澄んだ目で私を見つめ、しっぽを振っている間に終わってしまいます。病院を出る時の彼らは足を引きずることなく元気に帰っていきます。」と語るマシアス博士。「体に負担をかけることなく治療を行ってすぐに元気な姿を見ることができるのですから、本当に満足できる治療法です。」

2005年から、ベットステム社はおよそ2500匹の犬から幹細胞を抽出し、米国とカナダの2300人以上の獣医を幹細胞治療の認定獣医としてきた。だが、マシアス博士は幹細胞治療が応急処置でもなければ、完治を保証できるものでもないことを理解している。

「治療できない病気も多くあります。でも一匹でも多くの命を救いたいのです。そう願って日々治療を行っています。」とマシアス博士は語った。

マシアス博士は幹細胞治療の今後に関しては楽観的だ。人間にも幹細胞治療が突破口となり、治療法がないと言われている病気も治癒できる日がくるかもしれない。だが、今のところ、マシアス博士は毛でおおわれたふわふわした患者たちを“ハッピーな犬”として帰宅させることに全力を注いでいる。

「ペットが生きがいになっている人たちもいます。家族同然の存在になっているのです。」とマシアス博士。「私たちが住んでいるこの社会はますます断片化していき、孤独感がいつでもつきまといます。いつでもそばにいて誠実なのはペットだけと感じる人もいますね。」

ラグルスが幹細胞治療を行ってから初めての狩猟シーズンがやってくる。ダッシュノー氏は気にもとめてないようだ。それもそのはず。治療を始めて1週間以内にラグルスは階段の上り下りができるようになっていたからだ。

「仔犬の頃に戻ったみたいにはしゃいでいますよ。」とダッシュノー氏。「トラックに飛び乗ることもできるようになりましたし、走りたいだけ走れるようにもなりました。ソファにも上がれなかった頃と比べると雲泥の差です。」

ラグルスはほとんど以前と同じ生活に戻りつつある。家の裏庭にある池の魚を追いまわし、仲間の犬、スモーキーと森を走りまわる生活に。そしてダッシュノー家のアイドルとしての生活に。

「今の方が断然幸せそうですね。」とダッシュノー氏。「治療を行ってラグルスはもう一度自分らしく生きる機会を与えられたのです。私たちと一緒に楽しく暮らす機会をね。」

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なるほど~!そんな治療法があるのですね。日本ではいつ頃、導入されるのでしょうか?
それとも導入されない?!

治療法の選択肢の一つになればいいですよね。

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